授業づくりネットワーク2008夏IN仙台
第2回Mini−1グランプリ報告(暫定版)
昨年度に続く「授業づくり上達論」講座の第2弾である。昨年は関西、関東の2地域による「東西決戦」であったが、今年は九州・関西・関東・東北・北海道の各地区代表8名が一堂に会した。パフォーマンス性はもとより、お笑いの要素、実践レベルの高さにおいて、まさに全国大会にふさわしい激戦が繰り広げられた。
その様子を簡単に報告する。
【予選ラウンド】
1・九州代表 桑原先生
タイガーマスクにリングパンツスタイルで登場!観衆200名の度肝を抜いた桑原先生。猪木流(?)漢字学習法を披露。終始、笑いと迫力で場内を盛り上げた。肝心の筆順説明の部分で「少々分かりにくい」という指摘があったものの、トップバッターとしての見せ場を見事に作ってくれた。そのパフォーマンス性では群を抜いていた。
2・北海道代表 兒玉先生
暴走族ルックでこれまた場内を沸かせた。3枚のイラストを提示し、続きを作文させる「看図作文」と呼ばれる実践を紹介。時間が不足したものの、新しい問題提起を含む実践は、この後行われたレポート検討会でも大きな示唆を与えた。明るく元気なキャラクターは教師の大きな武器であることを実感させられた。
3・関西代表 中條先生
サムライ姿で登場した。この時点で教師のパフォーマンス性トップ3が出そろった感じ。内容は近現代の実践。子どもには分かりづらい陸奥宗光と小林寿太郎の見分け方を、見事なプレゼンで紹介。昨年度は全体の5位に泣いたが、今年度は格段の進歩を見せた。昨年度チャンピョンの田中博司先生をして「昨年出ておいて良かった」と言わしめた。
4・関西代表 兒島先生
エントリーの中で最年長。各地で有名なヒーローキャラクターから、名産地を紹介する内容であった。ご自身の奈良→開催地宮城のヒーローを笑いを絡ませながら紹介し、→和歌山の名産ヒーローを紹介する構成はさすがであった。田中博司審査員の一押しネタであった。
5・東北代表 中島先生
漢字の一部を見せ、子どもたちに当てさせるクイズを次々に紹介。テンポの良さ、漢字の隠し方のユーモア性、そしてその爽やかなルックスと相まって会場・審査委員に好印象を与えた。審査員全員が3位以内の高得点をつけた。特に鈴木編集長一押しのネタであった。
6・東北代表 武田先生
漢字一覧から「寿司ネタ」となる漢字の読みを探させる趣向。威勢のいい寿司職人になりきろうとするそのユーモラスかつ実直な姿勢が場内を沸かせた。子ども役の学生からは意外な読み方が出るなど、その実践には可能性を感じさせた。審査員からの得票もなかなかのレベルであった。
7・関東代表 山田先生
チュートリアル徳井君そっくりの山田先生。授業の作法をリズムよく楽しく紹介。実に印象深いネタであった。挙手、姿勢、プリント配布の仕方の3つの作法をコンパクトにまとめ上げた技量は初出場、2年目戦士とは思えない。関東のレベルの高さを見せつける実践であった。上條代表一押し。
8・関東代表 田中先生
第1回Mini−1GP銀メダリスト。ご存じ、世界のナベアツの「3アホ」ネタを都道府県学習(「山アホ」ネタ)に作りかえた。その目の付け所はさすがである。またナベアツのネタ「30代」の部分と同じく、「島根」「山口」「岡山」などを連続で持ってくる構成は、お笑い好き教師を唸らせた。お笑いネタの分析がすごいのだ。
【予選審査結果】
昨年度とは格段のレベルの向上を見せた今回のMini−1GP。予選ラウンドの結果は次の通り。
予選通過第1位 東北代表 中島先生
予選通過第2位 関東代表 山田先生
予選通過第3位 関西代表 兒島先生
4位以下はほぼ互角の激戦であった。(「同じ地区代表2名は、大会を盛り上げるために敢えて出さなかったのではないか?」という見方があるようだがそれはありえない。紛れもなくガチンコ勝負であった。)
関東の圧勝に終わった昨年を知るメンバーは口を揃えて「レベルは格段に上がった」と評した。第3回以降が楽しみである。
【決勝ラウンド】
1・関西代表 兒島先生
都道府県のマークを当てさせる実践。デジタルを駆使して、笑いも忘れずにテンポ良く進めた。尚、気付かれた方は少なかったと思うが、彼が予選ラウンド時にセカンドバッグを片手に直角コースを歩いて入場してきたが、あれは吉本新喜劇の内場さんの真似である。
2・関東代表 山田先生
宮沢賢治の「風の又三郎」のさわり部分を、2人1組でおんぶさせて力強く音読させようするネタであった。時間切れが残念であったが、運動と音読を融合させる画期的な実践であった。
3・東北代表 中島先生
日本に伝わる「雨」をイメージさせ音読させるネタ。昨年度優勝の田中博司先生の金子みすゞの音読ネタ同様、日本文化の意外性を伝えた後、しっとりまとめる心憎い構成であった。
【最終審査結果】
審査の結果は次の通り。
優勝 東北代表 中島先生
準優勝 関東代表 山田先生
第3位 関西代表 兒島先生
【企画責任者 総括】
先述したが、昨年度と比してレベルが格段に上がったGPであった。個人的に総括を述べる。
1 授業時間について
5分を7分〜10分にしようという意見もあったが、今後も5分で良いだろう。5分でここまでできるのである。5分だからこそ無駄な部分を削除出来る。しかもお笑いやパフォーマンスを絡めてである。このレベルの短時間パーツをいくつか組み合わせて45分の授業を構成することは、今後レポート検討会などで取り上げられるべき問題であろう。
2 審査方法について
当初は観衆にも投票してもらうという案もあったが、今回も審査員3人に与えるインパクト勝負で行った。3回以降は時間を勘案しながら、アトランダムに数名の会場点を加算してもよいだろう。
3 お笑い要素について
今大会を通じて「お笑い教育」に関する論議が盛んになされた。これ自体は実に良いことである。しかし、今回お笑いの要素を取り入れてネタ見せしてくれた先生方がいつもあんな風にお笑いだけを追求して日々の実践をやっているはずがないのだ。その前提でMini−1における実践の「遊び心」を論じるのでなければ、折角のパフォーマンスやお笑い要素も単なる「悪ふざけ」に堕してしまう。事前説明を時間をロスしない範囲ででもしっかり行っておく必要があるだろう。
4 勇士8名の先生方へ
遠路、交通費の保障もないこのGPによくぞご参加下さいました。まずはその事自体に敬意を表します。先生方は日々真摯にでも遊び心を持って教室実践に向かっておられるのだと思います。またその誠実さがガンガン伝わって参りました。本当にみなさ んにお会い出来て光栄でした。来年度以降も是非その若い力でMini−1GPを盛 り上げていって下さいね。本当にありがとうございました。2学期の実践、共に頑張りましょう!